99年世紀末初春、若き○場(現:アナーキー)と○崎(現:クーデター)は、あらゆる人生の不条理に対し怒りに燃えていた。近づく物には何にでも噛み付いた。その若い故の怒りと衝動は、並みのファッキンな表現では伝えることができないほど大きく膨れ上がっていたため、二人は新たな表現を模索する。(そんなもん模索してる暇があったら何かもっと有意義なことをしろよというツッコミは無しだ)考えに考え、三日目の昼、ついに一つの言葉が生まれた。

『爆殺』。

二人はこれこそ今の自分達の憤りと、求めている人生の刺激を見事に表現していると感じた。この語感が大変気に入った二人は、場の空気も読まずに狂ったように日常会話で「デデデデッデッデデ ぶぁ〜くすぁ〜つ」と連呼した。盟友「レーニン」ことトニー周HEY氏は、当時を振り返り「あいつらはマジでクレイジーだった。脳みそが腐ってるとしか思えなかったよ」と語っている。実は、爆殺のテーマはロックバンド「爆殺」が存在する以前に取るに足らない「ネタ」として存在していたのだ。

そんな折、アナーキーは楽器をやっている友達数名を誘い、当時はまっていたパンク〜セックスピストルズのコピーバンドで学校のライブに参加する計画を立てていた。クーデターは別のバンドで活動中であったが、アナーキーのショウマン精神に大きな感銘を受け、サポートメンバーとして参加することにした。同じ部活にいたため顔を合わすことの多かった二人は、全く白紙の状態であったバンドのコンセプトを精力的に話し合った。やる曲はセックスピストルズ。それを彷彿とさせるクレイジーなバンド名…!

『爆殺』。

そう、それにうってつけなネーミングを二人は発見済みであったのだ!さらに、クーデターは例の口で言ってただけのネタをドラム、ベース、ギターで再現し、バンドでできるサウンドにしたのだった。これが「爆殺のテーマ」となった。当然、この無茶なコンセプトは残りのメンバーには理解しがたいものだったため、激しく否定されるのだが、各メンバーのフェイバリット曲を盛り込むことで一応の合意をした。ここに、脈絡なくルナシー、ラルク、グレイ、ピストルズを演り、脈絡なく「爆殺のテーマ」が曲間に挿入される謎のバンド「爆殺」が誕生したのだった。ライブの内容は最悪であり、同業者、オーディエンスからの評判も悲惨を極めた。また各々趣向が違うことをハッキリと理解したメンバーは、皆自然と散り散りになった。記念すべき第1期爆殺の活動は、わずか一ヶ月ほどで幕を閉じたのである。

しばらくして、「テーマ&ピストルズ」の必勝パターンをひっさげて爆殺の逆襲が始まる事を、このときは誰も知らなかった。
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