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新体制になった爆殺で、クーデターは精力的にオリジナル曲を提供し、アナーキーは詩を書いた。五人の得意分野が五人ともバラバラな故に何をやっても問題ないという安心感が、これまでにない自由な創作環境を提供した。未知のオリジナルを曲を分析し、自分らのものにしていくだけの技量がバンドに備わりつつあったことも一因だった。「『爆殺』というイメージに対して曲を提供するのではない。俺らがやりたいようにやったものそのものが『爆殺』なんだ」。その言葉どおり、従来のイメージからは到底想像のできない、いわゆる「らしくない」とされる曲もメンバーは見事に我がものとし、ライブでは欠かせないナンバーにまで昇華させた。長い間「爆殺らしさ」と定義していたものは、自らを縛る呪縛でしかなかったのだ。安易な原点回帰ではなく、一歩進んだ先に爆殺の未来はあったと言えよう。ゆるぎない『爆殺イズム』がメンバー全員をガッチリと結び付けている。新体制後、何度かのバンド存続の危機もあったが、この精神がある限り爆殺は何度でも結束し、さらに爆走し続けてくれるだろう。
記事:ベーコン菅野 ボーリングスコーンズ誌
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